読書「熊楠と猫」。面白みは薄いものの、猫と民俗学の関係性を見つけてくれる。
必ずしも猫の本がいい本であるわけではない。
古い本ほど、猫との生き方や猫を発見した時の話、猫と共生することなど書かれているけれど、だからどうした、と言うところがある。
まあだいたいは人物像とか猫と暮らしてどうだった、のような伝記話が多いから、どうしようもないんだけど。
そんな一冊を会社でお借りしたので、読んでみた。
小難しいなーと言うのが第一印象。
猫のことがいっぱい書いてあるのかと思ったら、そうではなかった。
猫と共にあったとも言える、熊楠の生き方や生活が書かれていた。
伝記や人物記に近いものがある。
ただそれを色々な人が解説してくれているので、いろんな視点での話がわかる。
そこは評価したい。
ただ文体は小難しいし、昔の人の話なのでイメージしにくい。
1941没の人の話なので、まあまあ古い話。
できれば1匹の猫から始まって、とか。
1匹の猫を溺愛して、とか。
もっと猫に対するフォーカスが深かったらよかったのに、とちょっと思ってしまった。
でも、猫を民俗学と捉えて、関わっていた彼の姿勢は評価すべきものかもしれない。
猫に興味がある人にはおすすめしづらいが、民俗学としての観点からの猫をみたい、と言う人にはちょっと勧めてもいいかもしれない。