「君の名を。」を見てきた。夏のからっとした風のような作品だった
映画「君の名を。」を見てきた。
なんだか東京や飛騨のからっとした風が通り過ぎたような作品だったように思う。
ストーリーはわかりやすく、そして濃厚に作られていた。
さすが新海誠と言わんばかりの背景の濃密さ、それと美しさは見ていて飽きない。
一枚の油絵を見ているようだった。
当初は怒涛の展開にワクワクしたものだが、後半に行くにつれて瀧と三葉の関係に胸踊らされた。
<ここからネタバレ>
最初の入れ替わりが分かってからの彼と彼女の交流も楽しかったが、何より、中盤の三葉が三年前に死んだはずの人だと分かってからは、怒涛の展開で、瀧が彼女を救おうとする後半の場面は息をのむほどだった。
しかしながら、彗星が落ちてくるという場面がとても綺麗に描かれていて、一瞬この時が止まればいいのにと思ったにも関わらず、それが三葉が死に至る原因だと知ると、彗星が一気に憎く思わされる展開は素直に凄い。
ただ後半展開が読めてしまったところもあるので、そこは脚本的に要改善かなとも思った。
できれば、三葉を救ったあとにもっとぐっと盛り上がる後半戦であってほしかったが、成長してしまった後だったことと、もう三葉のことを忘れてしまい「君の名を。」知りたいと思いつつも、呼べないもどかしさでいっぱいだったのだと思う。
二人が再会するまでの時間にもどかしさを感じたのは私だけではないと思う。
<ネタバレここまで>
ネタバレしてきましたが、とはいえ、興行収入は「シン・ゴジラ」を上回るのではないかと言われているだけあって、素晴らしい出来でした。
早朝に見にいったため、1300円という格安で見れたこともあり、満足。
★4.5かなと思います。(★‐0.5なのは最後のもどかしさから)
新海誠監督にはもっと良い作品を次々に出してもらいたいもの。
次の映画にも期待大だけど、これニッチな人向けじゃないかなぁとも思う。
少なくとも新海誠を知っている人じゃないと見にいきたいと思わないんじゃないかなあ。
他にはきっとテレビで予告が放映されて、人気だということが分かって行ってる人とか。
新海誠を昔っから知ってる人には、「ここまでこの人は出世して、映画を作るまでになったのか。すごいなぁ」と思わされる映画だった。
「秒速5センチメートル」の時はあまりすごいとは思わなかったが、今作は凄い。
新海誠が好きなら、是非見て欲しい。